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愛知県埋蔵文化財センター  - 公益財団法人愛知県教育・スポーツ振興財団

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*考古学アーカイブ













my weblog : 201201

1/20/2012

岡山南遺跡 調査速報 その3

Filed under: - palace @ 8:45 am

調査課の池本です。

 岡山南遺跡の調査の続報です。前回は奈良・平安の遺構を紹介しましたが、今回はその下層に展開している古墳時代の遺構と江戸時代以前に存在した旧河道を紹介します。
 古墳時代の遺構も奈良・平安時代の遺構と同様に土坑や溝などが散在しているにすぎません。写真1は調査区の西側から古墳時代の遺構の検出状況を撮影したものです。調査区を横切る溝が数条確認できます。写真の中央近くで検出した土坑からは、古墳時代前期の壷も出土しました(写真2)。

B区全景
▲写真1 B区第3遺構面検出(東から)

 写真1の調査区上方で検出面が白くなっている部分は旧河道です。実は奈良・平安時代の面でも確認できていたのですが、作業の都合上古墳時代の遺構と同時に掘削することにしました。この旧河道は江戸時代には完全に埋没しており、上から遺構が掘り込まれていますので、それ以前に存在していた事になります。
詳細は現在調査中です。

出土遺物
▲写真2 土器出土状況

 これまで紹介してきた内容を中心として、1月28日(土)に地元説明会を開催します。詳細は こちら をご覧下さい。


1/19/2012

清洲城下町遺跡 調査速報 その4

Filed under: - palace @ 8:45 am

調査課の鈴木正貴です。

 昨年9月から開始した清須市に所在する清洲城下町遺跡の発掘調査は、12月中にほぼ終了することができました。今年度は本丸から南へ約600mの地点で、県道建設工事に先立って1610㎡の面積を3調査区に分けて行いました。これまでに11A区と11B区の成果を紹介してきましたので、今回は最後に実施した11C区の調査成果を簡単に報告します。

 11C区では、1面で城下町期前期末〜後期(16世紀後葉〜17世紀初頭)、2面で城下町期前期後半(16世紀中葉〜16世紀後葉)、3面で奈良時代〜城下町期前期(8世紀〜16世紀前半)を中心とした遺構や遺物が発見されました。

写真1
▲<写真1>

 11C区1面では、炭化物などがたくさん含まれた土坑群、巨大な方形土坑、竪穴状遺構など城下町期後期を中心とした遺構が見つかりました。特に、北西部で確認された竪穴状遺構では炉跡と思われる焼土や大小さまざまな穴や溝が確認されました。金属生産に伴う鉄滓などが伴うことから、この炉跡は「鍛冶炉」、脇にある穴は「ふいご」の跡地であった可能性が考えられます。屋敷割などは分かりませんでしたが、11A区や11B区と同様に、城下町期の鍛冶屋町の一部であったと推測されます。
写真2
▲<写真2>

 11C区2面では、城下町期前期後半(16世紀中葉〜16世紀後葉)の金属生産に関連する遺構が見つかりました。特に、壁に白っぽい粘土を貼り付けた施設が発見され、その南隣には炭がたくさん溜まった穴が確認されました。鋳型のような破片が出土したので、金属生産の中でも鋳造(鋳物)を行っていた可能性が考えられます。
写真3
▲<写真3>

 11C区3面では、奈良時代〜平安時代(8世紀〜10世紀)の竪穴建物跡、鎌倉時代〜室町時代(13世紀〜14世紀)の屋敷を囲む溝や方形の木組み井戸、城下町期前期前葉(15世紀末〜16世紀前半)の堀、城下町期前期後葉(16世紀中頃)の井戸や大型土坑など、さまざまな時代の遺構がみつかりました。この地点では、古くから人々が生活していたことが分かりました。下の写真は方形の木組み井戸の下部の様子です。
写真4
▲<写真4>


1/12/2012

岡山南遺跡 調査速報 その2

Filed under: - palace @ 8:45 am

調査課の池本です。

 岡山南遺跡の調査の続報です。前回は江戸時代の遺構を紹介しましたが、今回はその下層で確認された奈良時代・平安時代の遺構を紹介します。

 土坑や溝などが散在しているにすぎませんが、奈良時代後半頃の竪穴建物1棟を検出しました。全景写真の左側に写っています。この建物は平面形が一辺5メートル程度の隅丸正方形で、北側にはカマドが設置されていた痕跡も確認できました。調査区のさらに北側に、この時代の集落遺跡が展開しているのかも知れません。

B区全景
▲B区第2面全景(西から)

竪穴建物
▲B区 竪穴建物


1/6/2012

平成23年度 埋蔵文化財展のお知らせ

Filed under: - palace @ 10:00 am

ケヤキが語る2000年
-弥生・古墳時代の木の文化-

開催日時:2012年1月28日[土]~3月4日[日]
開催場所:豊田市郷土資料館
休館日●毎週月曜日
開館時間●午前9時から午後5時
観覧料●入場無料
主催●愛知県教育委員会、豊田市教育委員会、(公益)愛知県教育・スポーツ振興財団 愛知県埋蔵文化財センター

 プラスティック製品が急速に普及する一九六○年代より以前には、私たちの生活に関わる、ありとあらゆる分野に木製品が使われていました。これら木の道具は、用途によって使われる木の種類が異なっています。このように適材適所の木材利用は、今から二千年以上前の弥生時代には既に完成されており、まさに『日本文化=木の文化』といわれる所以となっています。
 また、人の手が加わった、いわゆる里山も弥生時代にできあがりました。そして、この里山を維持・管理することによって日常の生活材や燃料材を得ることができ、ひいては継続可能で安定した社会(生活)を営むことができるようになったのです。
 愛知県埋蔵文化財センターでは、これまで朝日遺跡をはじめとする数多くの遺跡で、大量の木製品を発掘調査し、その保存処理を行ってきました。これらの木製品には、原木・各種未成品から完成品まで、まさに木の文化を示す多種多様なものが認められます。
 本展示会では、主に弥生・古墳時代の木製品を通じて、当時の人々と木の関わり、そして、これからの社会のあり方についても考えてみたいと思います。

 詳細は、ちらし ポスター をご覧ください。

<<関連事業>>

●埋蔵文化財講演会「木の道具の効果を調べる」

日時: 2月12日[日]午後2時~4時
講師: 山田昌久先生(首都大学東京 教授)
会場:豊田市崇化館交流館 2階大会議室
 *埋蔵文化財展の会場とは異なります。
  豊田市崇化館交流館
   〒471-0079 愛知県豊田市昭和町2-46
   TEL. 0565-33-0750  FAX.0565-33-0760

●埋蔵文化財講座  各回ともに午後2時~3時
 1月29日[日] 「農工具の変遷」 樋上 昇(愛知県埋蔵文化財センター)
 2月 5日[日] 「最近の発掘調査の成果より -弥生・古墳-」キジ山古墳群 晴雲寺址・石座神社遺跡・車塚遺跡
         永井邦仁(愛知県埋蔵文化財センター)・早野浩二(同)・池本正明(同)
 2月19日[日] 「ハレの木製品」 樋上 昇(愛知県埋蔵文化財センター)
 2月26日[日] 「最近の発掘調査の成果より-豊田市内-」 寺部遺跡・矢作川河床埋没林
         高橋健太郎(豊田市教育委員会)・ 杉浦裕幸(同)
 3月 4日[日] 「木製品からみた尾張・三河の古植生」 樋上 昇(愛知県埋蔵文化財センター)

●ワークショップ 会期中の毎週土曜日 午前10時~12時・午後1時~3時
 1月28日[土]    本川遺跡の鳥形をつくって飾ろう!
 2月 4日[土]    顕微鏡で木の組織を見てみよう!
 2月11日[土] 午前 木を割ってみよう、削ってみよう!
 2月11日[土] 午後 弓の発射実験!スピードガン競争!
 2月18日[土]    原始機で布を織ってみよう!
 2月25日[土]    木のクワで土を掘ってみよう!

[交通]
豊田市郷土資料館
 〒471-0079 愛知県豊田市陣中町1の21
TEL. 0565-32-6561  FAX.0565-34-0095
http://www.toyota-rekihaku.com
・名鉄梅坪駅より南へ徒歩15分
・名鉄豊田市駅より北へ徒歩15分
・とよたおいでんバス「陣中町一丁目」下車 徒歩5分
・東名豊田インターより自動車約15分


1/4/2012

岡山南遺跡 調査速報 その1

Filed under: - palace @ 8:45 am

調査課の池本です。

 12月から西尾市吉良町に所在する岡山南遺跡の調査を開始しました。二つの調査区に分割して実施する計画で、現在は北側のB区の調査を中心としています。開始直後なのでまだ詳細な状況は明らかではありませんが、江戸時代と奈良・平安時代と古墳時代の三つの時期の遺構が確認されると考えています。

 写真は江戸時代を中心とする遺構面の全景です。浅い溝に区画された空間が確認でき、井戸が掘削されていた様です。中央に並ぶ三つの長方形の掘り込みは県教育委員会による試掘痕ですが、手前の試掘坑からは当該期の井戸が確認されています。

全景
▲B区 第1面 全景

井戸
▲B区 井戸2


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