トヨガ下遺跡 調査速報 その3
**トヨガ下遺跡 13A・B区調査終了**
トヨガ下遺跡は、豊田市下山田代町内に所在する遺跡です。
13B区では尾根筋から少し下がったところに、陥穴(おとしあな)が見つかりました。縄文時代に属すると思われます。また近代以降の炭焼跡(すみやきあと)と思われる円形の凹みは、尾根の上や急斜面の途中にみられました。
13A区北端では平安時代の遺物を含む谷状の地形を調査しました。
現在も絶えず水が流れる小川となっていますが、ある時期に岩盤が大きく崩れ、大きな花崗岩が谷の大半を塞ぐように埋まっています。
灰釉陶器の碗・皿類、壺類、煮炊き用の土師器甕、板状の木製品などは、谷の下層と岩の上などでも出土しています。当時の人達は、すぐ近くで作業をしていたようです。
また、調査区西側にかけての範囲では、散漫ながらも縄文時代(前期,後期)の土器が、黒色土層の上面から出土しています。ここの黒色土層の下でも火山灰(約9,300年前,鬱陵隠岐(うつりょうおき)火山灰か?)が検出されました。