寄島遺跡 調査速報 その3
調査課の永井邦仁です。
安城市小川町に所在する寄島遺跡では、11A調査区で、古墳の周溝の一部と考えられる溝とその屈曲部を検出しました。本調査区の北側では、以前の発掘調査(平成19年度、07C調査区)でもL字形に屈曲する溝を検出しており、その続き部分に該当します。屈曲部間の長さをもとにすると、一辺が約20mの方墳もしくは前方後方墳の後方部の可能性が考えられます。出土遺物から古墳時代前期と推定されます。
▲北側からみた寄島遺跡11A区全景(白線を表示したところが古墳周溝と考えられる溝)
ところで、8月18日には県立熱田高校の皆さんが、11C調査区で自然流路(川)の発掘調査を体験されました。流路から出土した木材を使って炭素年代測定に挑戦されるとのことです。結果が楽しみですね。
次いで、8月20日はあいにくの雨模様でしたが、地元説明会を開催しました。古墳や竪穴建物などを解説し、出土した土器片を手にとって観察していただくことができました。
さらに8月22日には、鹿乗川改修工事に関わる県・市の担当者や施工業者の皆さんが研修のために来場されました。遺構検出の方法や土器の使い方など、熱心なご質問を多数いただきました。
この間暑い日が続きましたが、ご来場いただきありがとうございました。発掘調査は間もなく終了します。
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