キジ山古墳群を歩く(7)
○調査課の永井邦仁です。
キジ山古墳群は、番号が付いているものだけで約40基になる古墳群です。今回は、山頂付近の古墳を探検してみます。
キジ山の麓をめぐる道に沿って北東に進み、幅の広い県道(東三河環状線)を越えると、赤岩自然歩道の案内板にたどりつきます。
案内板をみるとこの場所が、弓張山地の山稜をゆくメイン・ルートから西へのびた尾根の先近くにあることがわかります。ここから山に入れるのですが、実はこの道、鎌倉街道と推定されているものです。
木もれ日の中を堀割状の道をのぼります。ルートは峠を越えて北側へ下ると牛川人出土地の近くを抜けて豊川まで下り、渡河点からは三河国府の方向に至るようです。
峠は尾根の鞍部にあります。
ベンチのある峠に来ると、尾根筋を縦走する道を交差しています。南からのぼってくると、左へ曲がればキジ山方向になります。
峠からはキジ山の山頂に向かって少し急なのぼり道になっています。それをのぼりきると山頂(三角点)です。ここの標高は135mです。
山頂の周囲は急傾斜ばかりなのですが、その南東側に横穴式石室がみえます。足元に注意しながら少し下ると、石室の壁らしい石材が露出しています。これがキジ山31号墳です。
尾根筋は山頂から南西方向へのびています。少し下ると傾斜が緩くなり、雑木林のところどころに小さな高まりがみえてきます。キジ山29・30号墳です。とはいえ築造時の状態からはほど遠く、遺跡地図を参照しながらでないと気づかないかもしれません。
そこからもう少し歩くと岩がゴツゴツしたところを通過して、次の古墳にたどり着きます。周囲に石材が散乱しています。おそらくこれがキジ山26号墳でしょう。石室の凹みが残っていますが天井石はありません。不要にさわらずに、開口方向などをチェックしておきます。
そろそろ迷子にならないように、来た道を戻ります。
このように、キジ山古墳群では、尾根筋の緩斜面に立地するものと、斜面に貼り付くようにして立地するものの2パターンがあります。