東屋敷遺跡 調査速報
●調査課の成瀬です。
東三河環状線の工事に伴い1月より豊橋市石巻町で東屋敷遺跡の調査を行っています。東屋敷遺跡は、石巻山の西麓の三輪川右岸に立地しています。周辺には、西浦遺跡や高井遺跡群など弥生時代から古墳時代にかけての遺跡が多く存在しています。
調査もほぼ終わりに近づきましたのでここではこれまでの調査でわかってきたことを紹介したいと思います。
▲調査区 全景北から
残念なことに今回の調査範囲の南側半分の多くの部分が大きくかく乱を受けており遺構が滅失した状態であり、また北側部分も耕作などのかく乱で遺構の状況はあまりよくありませんでした。このような状況ですが確認できた遺構は大きく弥生時代後期〜古墳時代前期と江戸時代に区分することができました。
弥生時代後期〜古墳時代前期の遺構としては南側の段丘外に近い部分で隅丸方形の竪穴建物跡が比較的良好な状態で10棟近く確認されています。一方調査区北半部では竪穴建物跡の貼床などの痕跡はあるものの遺物はなく時期は特定できていません。
▲調査区南 竪穴建物跡
江戸時代後半の遺構としては調査区中央部に東西に走る溝が2条あり、幅5mほどの道路上遺構を作っていると考えられます。又調査区北半部では柱穴群が確認され掘立建物跡が数棟確認されているが、遺物などは出土しておらず時期を特定することはできていません。
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