日置本郷B 遺跡の報告
調査課の蔭山です。
この度、報告書が刊行された日置本郷B 遺跡の報告の2回目です。日置本郷B 遺跡は愛知県愛西市日置町(旧海部郡佐屋町日置町)にある遺跡で、古墳時代から中世にかけての遺跡です。今回は、発掘調査で見つかった遺構について主に紹介します。
▲日置本郷B 遺跡 位置と遺構図(クリックをして拡大ができます。)
発掘調査によって、現在の日置八幡宮のやや南側の地点を中心に、白鳳時代から室町時代の遺構がひろがっていたことが明らかになりました。中世の日置八幡宮の北西側と南西側の地点に自然の河道跡があり、遺跡の中央を南北にはしる道跡が確認されました。その道跡の北西側にあたる川辺に墓域があり、道跡の南東側の区画に建物跡や井戸跡などの居住域がひろがっていました。
また土錘(漁撈の網のおもり)の発見や日置八幡宮の南側地点において貝殻層がみつかったことは、古代から中世の人々が海や河とともに生きてきた営みの証であり、日置八幡宮遺跡を特徴づける成果と思われます。
▲写真1:屋敷地の区画溝035SD・041SD の完掘状況(南西より)
▲写真3:中世の掘立柱建物095SB の完掘状況(南西より)
▲写真5:貝層が確認された、09Bb 区東壁貝層検出状況(西より)
**少し宣伝ですが、6月9日から7月8日(月曜休み)の期間に愛西市文化会館1階において写真展『日置八幡宮遺跡展』が開催されることになりました。愛西市教育委員会において発掘調査された日置八幡宮遺跡の調査成果とあわせての写真展です。こちらも是非、ご覧下さい。