吉竹遺跡 調査速報 その1
◎調査課の永井邦仁です。
新城市大宮に所在する吉竹遺跡では5 月から6 月の予定で発掘調査を実施しています。今回はその概要を紹介
します。
吉竹遺跡は、天正3(1575)年の長篠・設楽原合戦の際、織田信長本陣が置かれたとされる茶臼山の東に位置
します。茶臼山との間には大宮川が流れ、谷地形になっており、その川近くの南向きの緩斜面に遺跡が広がって
います。発掘調査面積は350 ㎡です。
発掘調査では、弥生時代後期から古墳時代前期にかけての竪穴住居5 棟を確認しました。住居跡からは、数は
少ないですが高杯や壺などの遺物が出土しました。竪穴住居跡のほかには直径約40cm のピットが見つかりました。
このことから掘立柱建物や柵があったと考えられます。これらのピットが、竪穴住居と同じ時期かそれ以外の時期
なのかは出土遺物などから今後検討していきたいと思います。
▲遺跡遠景(手前の川が大宮川)
▲調査区全景(背後の山が茶臼山)