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愛知県埋蔵文化財センター  - 公益財団法人愛知県教育・スポーツ振興財団

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4/12/2010

須長10号墳 調査速報 その2

Filed under: - palace @ 3:00 pm

○調査課の亀甲です。
 平成22年1月から発掘調査を行ってきました須長10号墳の調査が終了しました。主な調査結果についてお知らせいたします。


▲須長10号墳遠景(北から)

 須長10号墳は、新城市街の北東に位置する須長地内にあり、標高は約110mです。古墳は、7世紀に築かれた、直径約10mの円墳であることが分かりました。周囲には溝がめぐらされており、古墳の西側には3棟の竪穴建物跡が検出されました。出土した遺物から、3棟の竪穴建物は、古墳が築かれた時期と近いものだと考えられます。


▲須長10号墳(直上から)

 古墳の埋葬施設は、長さ約7m、幅約1mの横穴式石室で、天井石は奥壁部を除いて、原状をとどめていませんでした。横穴式石室に使用された石材は、付近に産出する花崗岩(かこうがん)です。石室入り口付近からは須恵器(すえき)高杯(たかつき)等が出土しました。


▲須長10号墳石室(南から)


▲石室入り口付近出土遺物状況

 玄室からは、7世紀の須恵器長頸壷1個体が出土しました。


▲石室北西隅出土遺物状況

 須長10号墳の玄室は、基底石(きていせき)(石室を構築するにあたって最下段に据えられた石材)の状況から、奥窄(おくすぼ)まり形(玄門(げんもん)側、中央部に比べて、奥壁のみ幅が狭い)であるといえます。奥壁中央には鏡石、手前側には羨道(せんどう)と玄室(げんしつ)を分ける立柱石(りっちゅうせき)も確認されました。


▲石室基底石検出状況

 以上、今回の調査によって、須長10号墳の性格が明らかになってきました。今後も調査研究を進めていきたいと考えています。

 


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