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愛知県埋蔵文化財センター  - 公益財団法人愛知県教育・スポーツ振興財団

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my weblog : 201110

10/28/2011

清洲城下町遺跡 調査速報 その2

Filed under: - palace @ 9:30 am

 調査課の鈴木正貴です。
この9月から清須市に所在する清洲城下町遺跡の発掘調査を行っており、現在は11 A区の調査を終えて11 B区の掘削を進めています。そこで、昨年度と今年度11 A区の調査成果を中心に解説し、11 B区の発掘調査の途中経過をみていただく地元説明会を11月5日午前11時から開催いたします。多数のご参加をお待ちしております。詳細は、 こちら をご覧ください。

 さて、その11 A区では、3面で城下町期前期後葉から後期(16 世紀中葉〜16 世紀後葉まで)、4面で平安時代から城下町期前期(10 世紀〜16 世紀前半まで)を中心とした遺構や遺物が発見されました。写真は11A区の4面遺構全体の様子です。

11A全景
▲11A区 4面

 城下町期前期後葉では大型の穴がたくさん見つかりました。前回報告いたしました2面と同様に、炭を多く含む大型の穴(土坑)が広がっていて、そこには産業廃棄物が投棄されたものでしょうか、その中からは鍛冶作業の際に発生する鉄滓(てっさい)などが出土したものもあります。この付近に鍛冶屋さんがいたことが推測されます。また、井戸がおおよそ東西方向に並ぶ形でたくさん発見されています。この状況からみて、道路に面して軒を連ねた町屋が広がっていたものと推測されます。これらの遺構は天正地震(1586 年発生)による液状化現象(噴砂)の前に作られていたことが分かり、織田信雄による大改修の前から町屋であったことが想定されます。平安時代(10 世紀〜11 世紀)の遺構としては、浅い方形の穴を掘って建てる竪穴建物跡が発見されました。ここで古くから人々が生活していたようです。

噴砂
▲噴砂


10/19/2011

大平本城跡 調査速報 その1

Filed under: - palace @ 10:03 am

 調査課の池本です。
 大平本城跡の調査を開始しました。
 この遺跡は、豊田市北部の大平町(旧小原村、平成17(2005) 年に豊田市と合併)に位置しております。『小原村誌』には、大内下総守久政の居城で文正元(1466)年に松平信光の攻撃により落城したと紹介されています。今回の調査区は、大平本城跡の西側部分に該当し、現在は表土を除去している段階です。
 写真は調査区を南西から眺めたもので、中央にオレンジ色のフェンスに囲まれた調査区、大平本城の中心部分は写真右端部分に写っています。写真左には大平姫城の名で知られる城跡があります。大平本城も大平姫城も現状では詳細な情報がありませんが、位置関係からこれらが一体の城として機能していた事も推定されています。

11遠景
▲調査区遠景


10/6/2011

清洲城下町遺跡 調査速報 その1

Filed under: - palace @ 9:58 am

調査課の鈴木正貴です。
 清須市に所在する清洲城下町遺跡は、全国でも有数の戦国時代から江戸時代初期にかけての都市遺跡です。清須城は、織田信長をはじめ織田信雄・豊臣秀次・福島正則・松平忠吉・徳川義直などが居城した城郭でした。
 今年度は本丸から南へ約600mの地点で、県道建設工事に先立って1610㎡の面積を平成23年9月から発掘調査を行っております。調査は3調査区に分けて行い、現在は11A区の掘削を進めています。

11A全景
▲調査区全景(東から)

 11 A区では、1面で城下町期後期(17 世紀初頭くらい)〜宿場町期(江戸時代全般)、2面で城下町期後期(16世紀後葉〜 17 世紀初頭)を中心とした遺構や遺物が発見されました。写真は11 A区の1面遺構全体の様子です。

11A
▲11A区

 城下町期後期では、根石を持つ掘立柱建物跡や井戸、ゴミ穴などが発見されました。ゴミ穴は炭化物を多量に含むものが多く、密集して繰り返し掘削されていたようです。遺構の配置からみて、武家屋敷というよりは町屋があったと推定され、ゴミ穴はそこに住んだ職人?たちが廃棄したものかもしれません。

調査
▲発掘調査の様子

遺物
▲遺物出土状況

 宿場町期では、調査地点が美濃街道からやや離れた場所であるため、あまり遺構は多くありませんでした。井戸や埋設された甕・ゴミ穴などがわずかにあり、屋敷裏の様子を示しているようです。
 今後は11 A区のさらに下層の様子を探り、終わり次第11 B区・11 C区へ進む予定です。


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