清洲城下町遺跡 調査速報 その2
調査課の鈴木正貴です。
この9月から清須市に所在する清洲城下町遺跡の発掘調査を行っており、現在は11 A区の調査を終えて11 B区の掘削を進めています。そこで、昨年度と今年度11 A区の調査成果を中心に解説し、11 B区の発掘調査の途中経過をみていただく地元説明会を11月5日午前11時から開催いたします。多数のご参加をお待ちしております。詳細は、 こちら をご覧ください。
さて、その11 A区では、3面で城下町期前期後葉から後期(16 世紀中葉〜16 世紀後葉まで)、4面で平安時代から城下町期前期(10 世紀〜16 世紀前半まで)を中心とした遺構や遺物が発見されました。写真は11A区の4面遺構全体の様子です。
城下町期前期後葉では大型の穴がたくさん見つかりました。前回報告いたしました2面と同様に、炭を多く含む大型の穴(土坑)が広がっていて、そこには産業廃棄物が投棄されたものでしょうか、その中からは鍛冶作業の際に発生する鉄滓(てっさい)などが出土したものもあります。この付近に鍛冶屋さんがいたことが推測されます。また、井戸がおおよそ東西方向に並ぶ形でたくさん発見されています。この状況からみて、道路に面して軒を連ねた町屋が広がっていたものと推測されます。これらの遺構は天正地震(1586 年発生)による液状化現象(噴砂)の前に作られていたことが分かり、織田信雄による大改修の前から町屋であったことが想定されます。平安時代(10 世紀〜11 世紀)の遺構としては、浅い方形の穴を掘って建てる竪穴建物跡が発見されました。ここで古くから人々が生活していたようです。