清洲城下町遺跡 調査速報 その4
調査課の鈴木正貴です。
昨年9月から開始した清須市に所在する清洲城下町遺跡の発掘調査は、12月中にほぼ終了することができました。今年度は本丸から南へ約600mの地点で、県道建設工事に先立って1610㎡の面積を3調査区に分けて行いました。これまでに11A区と11B区の成果を紹介してきましたので、今回は最後に実施した11C区の調査成果を簡単に報告します。
11C区では、1面で城下町期前期末〜後期(16世紀後葉〜17世紀初頭)、2面で城下町期前期後半(16世紀中葉〜16世紀後葉)、3面で奈良時代〜城下町期前期(8世紀〜16世紀前半)を中心とした遺構や遺物が発見されました。
11C区1面では、炭化物などがたくさん含まれた土坑群、巨大な方形土坑、竪穴状遺構など城下町期後期を中心とした遺構が見つかりました。特に、北西部で確認された竪穴状遺構では炉跡と思われる焼土や大小さまざまな穴や溝が確認されました。金属生産に伴う鉄滓などが伴うことから、この炉跡は「鍛冶炉」、脇にある穴は「ふいご」の跡地であった可能性が考えられます。屋敷割などは分かりませんでしたが、11A区や11B区と同様に、城下町期の鍛冶屋町の一部であったと推測されます。
▲<写真2>
11C区2面では、城下町期前期後半(16世紀中葉〜16世紀後葉)の金属生産に関連する遺構が見つかりました。特に、壁に白っぽい粘土を貼り付けた施設が発見され、その南隣には炭がたくさん溜まった穴が確認されました。鋳型のような破片が出土したので、金属生産の中でも鋳造(鋳物)を行っていた可能性が考えられます。
▲<写真3>
11C区3面では、奈良時代〜平安時代(8世紀〜10世紀)の竪穴建物跡、鎌倉時代〜室町時代(13世紀〜14世紀)の屋敷を囲む溝や方形の木組み井戸、城下町期前期前葉(15世紀末〜16世紀前半)の堀、城下町期前期後葉(16世紀中頃)の井戸や大型土坑など、さまざまな時代の遺構がみつかりました。この地点では、古くから人々が生活していたことが分かりました。下の写真は方形の木組み井戸の下部の様子です。
▲<写真4>
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