豊橋市・キジ山古墳群を歩く(4)
◎調査課の永井邦仁です。
キジ山古墳群の立地する丘陵上にはいくつかの巨岩が点在しています。西の豊橋市水道局側から見上げると山腹にみえる巨岩があり、これは古くから屏風岩と呼ばれていました。一方、標高77m の山頂にも巨岩があります。
この巨岩、いくつかの岩が周囲を取り囲む中にそびえ立つようにしてあるのです。祭祀遺跡の磐座のようにもみえます。範囲確認調査では、この岩の周辺にもトレンチを設定して地中を調べてみましたが、古墳はなく、遺物も出土しませんでした。ただし、岩の集まりから少し南へ外れたところで、ちょうど石敷に使える大きさの割石が多数詰まった土坑が検出され、そこから須恵器の甕などが出土したのです。
▲[画像3]試掘トレンチで検出された土坑とそこから出土した礫群
出土した甕は7 世紀前半と推定され、キジ山古墳群が増加しつつあったころに相当します。しかし、何のためにわざわざ穴を掘って石や須恵器を埋めたのかは謎のままです。
さて、立石状の巨岩は西に向かって広い面があり、鏡石のようでもあります。今は雑木林に埋もれていますが、周囲が低木ばかりであれば、かなり遠くからでも見つけることができたのではないでしょうか。
しかも鏡石状の面の手前には、テラス状の平らな面もあります。落ち葉を掃除してみましたが、何も出土しませんでした。少しがっかりしたのですが、図面でもわかるように、巨岩から南西方向の平坦面では古墳が認められていません。さらに詳細に調査すれば検出されるのか、それとも本当にここだけ古墳がないのか、興味がつきない空間です。
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