豊橋市・キジ山古墳群を歩く(2)
◎調査課の永井邦仁です。
今回は、キジ山古墳群の発掘調査で最も注目された小型の横穴式石室【KJ10A区001SZ】の調査経過をみてみましょう。
▲[画像01] 古墳の表土を重機で掘削しているところ(え?!どこ?)
調査区は、雑木林の緩斜面だったところで、伐採を終えて重機で表土掘削を開始しました。地山まで約20cmと見積もって、順調な滑り出しでした。ところが、どういうわけか石によく当たる。何かの遺構かと考え、手作業での掘削に切り替えました。
すると石の集まりは、最初は列状にそして最後は馬蹄形に並んで検出され、天井石の失われた横穴式石室の側壁部分だったことが判明しました。すぐ横の調査区壁面をみても、古墳のマウンドらしき高まりは全くみられず、完全に埋没していたことがわかります。
その後、石室の調査を開始しましたが、埋土や床面の石敷からは全く遺物が出土せず、遺骸も残っていませんでした。しかし、石室前方の木根周辺の土中から須恵器杯の小片が出土し、付近に顕著な遺構がないことから、石室にかかわるものと判断しました。この須恵器は7世紀末〜8世紀前半のものと考えられます。
▲[画像04] 石室前方からみた001SZ(とても狭いです)
こうして石室の構造を明らかにできましたが、長さが約1.7mしかないうえに幅や高さも小さいのが特徴です。あまりに狭いので、このように側壁までできあがった時点で遺骸を納め、しかるのちに天井石を架構したものと考えられます。
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