北丹波・東流遺跡 調査速報その2
【その2】人名を刻んだ奈良時代の須恵器が出土
◎調査課の永井宏幸です。
今回は、出土した遺物の中から文字を刻んだ須恵器を紹介します。
北丹波・東流遺跡は、過去の調査から奈良時代を中心とした遺物が多く出土していたことで知られていました。また、周辺の遺跡は古代の役所、国府が推定され注目されている遺跡です。
今回の調査では、奈良時代のはじまり、今から約1300年前の須恵器や土師器がまとまってみつかっています。
そのなかでも今回紹介する須恵器は、杯です。杯の底、高台の内側に、ヘラのように先の尖った道具でしっかりと文字を刻んでいます。文字を観察すると、ヘラで刻んだ縁取りが少し膨らんでいることがわかります。つまり、器を焼く前に文字を刻み込んでいるのです。
では、なんと書いてあるのでしょうか。文字数は4文字。上から
林 □ 足 麻呂
2文字目は不明で、4文字目は「下」と書いて「麻呂」と読みます。
そうです。人名が刻まれていたようです。今回紹介した人名を刻書した須恵器は珍しく、貴重な発見となりました。
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