雲と考古学
◎調査課の永井邦仁です。
すっかり寒くなりました。私は部屋の中で寒がっているのですが、野外では寒風の中、発掘調査が続きます。
発掘調査は、その土地ごとの気象によって大きく工程が左右されます。もちろん雨天中止なのですが、遺構の検出や写真撮影は、明るすぎても暗すぎても困ります。そこで雲の動きに注意するようになります。地面ばかり眺めているわけにはいかないのですね。
稲沢市須ヶ谷遺跡は、一色青海遺跡などの弥生時代集落遺跡が分布する一角にあります。発掘調査は平成17年度の真冬に実施され、弥生時代の竪穴建物や方形周溝墓が検出されています。
冬の濃尾平野には「伊吹おろし」と呼ばれる強烈な季節風が、北西方向から吹いてきます。これが雪雲を運んでくるのですが、画像のように一本の帯のような形で遺跡の真上に押し寄せてきます。そしてそれまでの快晴はみるみる暗くなっていき、雪が降り出します。
雪雲のコースはだいたい決まっていて、伊吹山の東、揖斐川上流の方向から流れてくるように見えます。そして名古屋駅の方向へのびていきます。その様子は龍や蛇などの動物のようでもありますが、弥生時代の人々はどんなふうに見えたのでしょうか。
このような、土地特有の気象と遺跡との関係は、立証しにくい面もあるのですが、興味深いものがあります。
曇空もつかの間、積雪すると画像のようになります。この年度は特に雪が多かったですね。
RSS feed for comments on this post.
ƤˤϡޤȤդƤޤ
Ȥ
ʤߥȤդ뤳ȤϽޤ