鹿乗川の橋と遺跡をめぐる(8)
◎調査課の永井邦仁です。
ご無沙汰しております。今年の9 月は結構暑かったので、なかなか歩けませんでしたね。さて、今年度も寄島遺跡で発掘調査が始まりましたので、ここから再開しましょう。
▲画像1:寄島遺跡遠景と集落・墓のイメージ(平成23 年度調査時:南から)
寄島遺跡は、加美橋の東に低地の中でも比較的高い地点があって、そこを中心に広がる弥生時代後期〜古墳時代前期の集落遺跡です。そして、集落の南側には方形周溝墓などの墓域があって、さらに南側はもっと低くなって旧河道が横切っています。昨年度は墓域や旧河道を調査して、古墳の一部が検出されたことをお知らせしたかと思います。今回はその古墳について、です。
この墓は、発掘調査で北東と南東の隅が検出されたので、一辺約20m の方墳である可能性が高いのですが、もう一つの案として前方後方墳の可能性も指摘しておきましょう。ポイントは南西側の辺が完全に検出されていないことです。ここに10 〜 20m の前方部が取り付く形もあり得るのです。また、周溝の形状が逆台形で方墳を想定するにはやや不自然に点も挙げられます。
以上の想定から、全長30 〜 40m の前方後方墳が、碧海台地を背景に旧河道の方に側面を向けて立地していたことになります。この大きさは台地上の二子古墳(前方後方墳)の68.2m のおよそ2 分の1 となります。
前方部は市道の下に想定され、墳形の結論は先送りとなります。ともあれ、周溝墓群の一角に大きな墓が登場していることには変わりがなく、ここに寄島「ムラ」社会の大きな変化を読み取ることができるでしょう。
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