東下地遺跡 調査速報
◎調査課の永井邦仁です。
豊橋市野添遺跡の範囲確認調査を終了した調査チームは、7 月に東下地遺跡の発掘調査を実施しました。野添遺跡は標高約27m の台地上に立地するのに対し、東下地遺跡は神田川沿いの低地にあるため標高は約17m です。同遺跡は、昨年度10,630 平方メートルを発掘調査し、中世の遺構や、弥生時代から古墳時代と考えられる水田遺構を確認しました。
今年度はその北端の小さな調査区が対象です。
今年度検出できたのは、北東から南西方向にのびる溝状遺構1 条と、それに隣接する水田遺構です。東下地遺跡の基盤層は礫層ですが、その上に堆積した粘土層上面でこれらの遺構が検出されました。画像でもわかりますが、これらは砂利のような礫(溝状遺構)あるいは粗い砂の混じった粘土(水田遺構)で埋まっていました。おそらく洪水によって埋もれてしまったものと考えられます。
溝状遺構を掘削すると、実に凹凸が激しく、どちらかといえば自然河道のような遺構です。問題はその時期なのですが、土師器の小片は出土するが須恵器や山茶碗などの古代以降の遺物が含まれていないことから、古墳時代前期から中期までに埋没したものと推測しています。
実は、南側に位置する昨年度の調査区でも、小区画の水田に隣接して溝状遺構が検出されており、ほぼ今回調査したものの延長であるとみられます。これが確認できたことにより、台地の崖近くまで耕作地化が進んでいたことが明らかになりました。
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