鹿乗川の橋と遺跡をめぐる(7)
◎調査課の永井邦仁です。
今回は再び岩根橋・岩根上橋に戻ってみます。現在、改築によって両橋は生まれ変わりつつあります。ところで、両橋間の距離(約200m)がだいたいお城の一辺に相当していることはご存知でしょうか。実は、台地側は岩根城跡という平城の遺跡なのです。
▲画像1 岩根城跡と惣作遺跡遠景(平成23年度調査時:南から)
岩根城は加藤氏によって築かれた中世の城館です。加藤氏は松平家譜代の家臣ですが、一族には豊臣秀吉に仕えた加藤嘉明もいます。
土塁や堀は、江戸時代に崩され埋められたようですが、道路などの地割りに今もその名残をとどめています。平成14年度に安城市教育委員会が北東隅部分で小規模な発掘調査をしています。
惣作遺跡の平成23年度発掘調査では、岩根城跡の東側低地を調査区(11A・B区)としました。岩根城に近い時期の遺構は、平安時代後期〜鎌倉時代の水田跡のみで、建物跡や屋敷地区画などは検出されませんでした。
▲画像3 惣作11B区の水田遺構(北半部は近世〜近代の鹿乗川流路:南から)
水田などの耕作地を、岩根城や台地上の中世集落の人々が拓いていったのか、興味のあるところです。
鹿乗川左岸の台地上にはこの他にも小川志茂城跡や桜井城跡などの中世〜戦国時代の城跡が点在しますが、鹿乗川に直面しているのは岩根城跡のみです。
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