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愛知県埋蔵文化財センター  - 公益財団法人愛知県教育・スポーツ振興財団

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my weblog : 日置本郷B遺跡について

4/11/2012

日置本郷B遺跡について

Filed under: - palace @ 9:21 am

調査課の蔭山です。

 この度、報告書が刊行される日置本郷B遺跡の報告です。
 日置本郷B遺跡は愛知県愛西市日置町(旧海部郡佐屋町日置町)にある遺跡で、古墳時代から中世にかけての遺跡として、『佐屋町史』などにおいて紹介されていた遺跡です。愛知県埋蔵文化財センターでは、平成21年12月から平成22年2月にかけて発掘調査を行い、古墳時代後期から江戸時代にかけての遺構と遺物を確認しました。今回は、発掘調査で見つかった墨書土器について紹介します。

全景
▲写真1  日置本郷B遺跡 北から

 写真2は、8世紀頃の須恵器の鉢の破片で、古代から江戸時代の自然河道(09A区)の上にある遺物包含層から出土したものです。鉢は口縁部径24cmのもので、ロクロナデによる調整がされています。その内面に「大万」と棒状の道具で、刻書がありました。「大万」の意味は、名前や地名というよりは、吉祥句のような意味をもつものと考えられます。刻書は須恵器などの生産遺跡である窯元にて書かれるものなので、消費遺跡で書かれる墨書土器に比べて少なく、貴重な資料です。

大万
▲写真2  須恵器の鉢の破片

 写真3は、鎌倉時代の山茶碗の底部片で、古代から中世の自然河道(09A区002NR)から出土したものです。底部の外面に「○」に「大」を書いた墨書がありました。
 本遺跡から出土した墨書土器は他に奈良時代の須恵器の蓋1点、灰釉陶器の碗1点、鎌倉時代から室町時代の山茶碗の底部や土師器の小皿の底部の外面などに17点があり、中世の遺物に比較的多くの墨書土器がありました。他の墨書について字や記号として判明できるものは、「十」や「二」、「○」がありました。
 これらの刻書土器や墨書土器には、「大万」のように吉祥句を書いたものもあるが、大部分は土器の使い分けなどの所有を示すもののように思われます。

大○
▲写真3  山茶碗の底部片


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