惣作遺跡 調査速報 その1
調査課の永井邦仁です。
安城市・惣作遺跡での発掘調査は、11A 区での調査が大詰めを迎えています。調査地点は、これまで鹿乗川と用水路の間となっていた「中堤」と呼ばれる箇所です。まさに川の真横ですから、「こんな所に遺跡が?」と思われるかもしれませんが、鹿乗川が現在の流路になったのはそう古いことではなかったらしく、11A 区では古代の集落や中世の水田が遺構として検出されています。
奈良時代以前には、流路が遺跡の中をほぼ東西方向に走っていたことがこれまでの調査で判明しています。つまりこの付近で川は大きく蛇行していたとみられます。11A 区では、その流路北岸の自然堤防(砂が堆積した微高地)上で複数の竪穴建物跡を検出しました。時期は奈良時代から平安時代前期(8 〜 9 世紀)と考えられます。
平安時代中期以降は集落がなくなりますが、その後、自然堤防北側の湿地帯を中心に水田が営まれたとみられ、黒色粘土層の中で畦畔状の遺構が検出されています。その少し上から灰釉陶器や山茶碗が出土しているので、時期は平安時代後期から中世前半と考えられます。
黒色粘土層の上には厚い青灰色粘土層が堆積しています。遺物はわずかですが、近世の陶磁器や漆椀が出土しており、江戸時代には鹿乗川が現在の流路となって周辺の堆積が進んだものと考えられます。その川辺で竹や木杭を打ち込んだり大きな穴を掘って再び埋め戻した跡が確認されています。
ところで、古代以前の流路について、11A 区でもその一部が検出されています。ここからは木製品の出土も期待されますが、調査は年明けから再開する予定です。
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