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2006年01月17日

須ケ谷遺跡 西海塚遺跡 山王遺跡

(すがたにいせき:稲沢市 北緯35度13分4秒,東経136度45分1秒)
(にしかいづかいせき:稲沢市 北緯35度13分3秒,東経136度45分1秒)
(さんのういせき:稲沢市 北緯35度13分2秒,東経136度45分0秒)

C5.gif 調査課の永井邦仁です。

 須ケ谷遺跡、西海塚遺跡、山王遺跡は、稲沢市(合併前は中島郡平和町)須ケ谷・三宅地区に所在します。愛知県下水道科学館から南へ一直線に伸びる道路の拡幅工事に先立って当センターが平成17年11月より発掘調査を実施しています。南北約500mにもおよぶ調査区なので、3つの遺跡が調査対象となったのです。北から須ケ谷、西海塚、山王遺跡の順になります。このうち西海塚、山王遺跡についてはほぼ調査が終了しました。  遺跡の周辺は昭和40年代に大規模な区画整理が実施されています。西海塚遺跡では、現在の区画とは異なる水田区画やそれに伴う道や溝が確認されました。明治時代の地籍図との照合も必要ですが、おそらく江戸時代から続いた古い区画だと思われます。  山王遺跡でも古い地割が見られますが、それとほぼ同じ方向に流れる川の跡が確認できました。最終的な川の幅は約55mあります。現在では遺跡の東方約600mを三宅川が直線的に南流しますが、それとのつながりも考えられます。また川の跡付近では、平安時代から鎌倉時代の須恵器や灰釉系陶器が出土する井戸が2基ありました。井戸の下方に据える曲物はとても残りの良いものです。


C5001.jpg●山王遺跡・西海塚遺跡全景


C5002.jpg●山王遺跡 井戸の調査風景


投稿者 maibun : 2006年01月17日 11:19