2005年07月19日

牛寺遺跡 01

(ごでらいせき:豊田市御立町 北緯35度4分21秒,東経137度10分20秒)

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C3PGD001.jpg●遺跡遠景

牛寺遺跡は、矢作川の左岸に形成された河岸段丘上、標高約35mに位置する、中世を中心とした遺跡です。遺跡の周辺では発掘調査が2回行われています。まず昭和45年の調査では、古代瓦を中心に古代の遺物と遺構が確認され、
「牛寺廃寺」と命名されています。次いで平成3年の調査では、中世の大溝と柱穴列を中心とした遺構と遺物が確認されました。


C3PGD002.jpg●調査区全景

今回は、1,300平米を対象に調査を行いました。その結果、調査区の南側を中心に中世(12世紀後半)の遺構が見つかっています。ほとんどの遺構は南北方向を意識した溝や土坑で、計画的に構築されていたことがわかります。そのうち大溝は、過去2回の調査からも見つかっていて、これらをつなぐと数十mにおよぶ大きな方形区画が想定できます。従来から指摘されているように居館あるいはお堂のような施設があったと考えられます。



C3PGD003.jpg●中世の土坑から出土した椀


C3PGD004.jpg●縄文時代中期後半の土器敷炉

残念ながら、後世の削平により炉だけですが、本当は竪穴住居の真ん中にあったと考えられます。


投稿日 : 2005年07月19日 13:56