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◎調査課の永井邦仁です。
愛知県埋蔵文化財センターでは、平成22年度10月より豊橋市多米町に所在するキジ山古墳群および晴雲寺址の発掘調査を行ってきました。調査では古墳と江戸時代の寺院跡を確認しました。その成果について、地元の皆様にご覧いただくために地元説明会を開催することとなりました。
記
1 日時 平成23年2月11日(金曜日、祝日)午前10時〜正午まで(雨天の場合中止)
2 場所 豊橋市 キジ山古墳群・晴雲寺址発掘調査区
(遺跡は傾斜地にあり足元が悪いので、運動靴などでお越し下さい。)
3 内容 調査成果の説明、出土品・写真の展示
4 主催 (公益)愛知県教育・スポーツ振興財団 愛知県埋蔵文化財センター
電話0567−67−4163 http://www.maibun.com
電話080-1571-4990(永井)
5 交通 駐車スペースがありませんので、公共交通機関をご利用ください。
豊橋鉄道市内線終点「赤岩口」下車、東へ徒歩約10分(下図参照)
●検出された遺構について
[古墳]
これまで未確認であった、(1)古墳時代後期(6〜7世紀)につくられた横穴式石室の古墳を2基、(2)奈良時代(8世紀)につくられた小型の横穴式石室の古墳を1基を検出しました。古墳からは墓前に供えたと思われる須恵器が出土しました。またキジ山34号墳の周溝も調査し、古墳築造時に平坦面を造成していたことが明らかになりました。当日は(1)を見学することができます。
[寺院跡]
吉田城を臨む西側斜面で江戸時代の建物跡を検出しました。そこからは瓦や陶磁器が多数出土しています。陶製の仏具もみられることから寺院跡と考えられます。文献史料では、「晴雲寺」が吉田藩主牧野氏の菩提寺として18世紀に建立されたことが記されており、これに該当するものと考えられます。
▲キジ山古墳群石室検出状況
▲晴雲寺址礎石建物検出状況