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- 発掘調査は急傾斜地崩壊対策事業に伴うもので、愛知県教育委員会を通して委託を受けた愛知県埋蔵文化財センターが実施した。調査は面積310塀㎡。調査期間は平成23(2011)年10月〜11月である。
- 大平本城の眼下には県道19号線(土岐足助線)が南北に伸びる。路面(標高360m)と調査区との比高は14m(路面と主郭の比高は36m)をはかる。
- 大平本城は、大内下総守久政の居城とし、文正元(1466)年に岩津城主松平信光の攻撃により落城したとされている。しかし、南西部の堀の形状などに戦国時代 から登場する構造も指摘されており、15世紀以降も城郭が存在したものと評価されている。
- 今回の調査区は、大平本城の南側斜面となる小規模な三段の平坦とその間の斜面となる。調査の結果、下段の平坦面で東西に土塁が検出された。前面と背面は急峻な斜 面となっている。このうち、上段と中段については城郭の時期に存在した事は明らかには 出来なかったが、下段の平坦面は城郭の存続時期に存在したともの考えられる。
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