愛知県埋蔵文化財センター調査報告書 第194集
加原遺跡
(かはらいせき)
遺構:
加原遺跡は、新庄市大宮地区に所在する。西の丘陵上に石座神社遺跡、東に豊川支流の連吾川を臨む、大正3年(1575)長篠・設楽原合戦の主戦場となった地域の一角でもある。
しかしながら、検出された遺構は古墳時代初頭の竪穴建物、平安時代中期〜鎌倉時代の竪穴建物(竪穴遺構を含む)と掘立柱建物、小谷地形の、埋め立て造成層である。集落の中心となるのは、平安時代中期〜鎌倉時代であり、谷地形からは、
灰釉陶器
・
山茶碗
と
土師器甕
が多数出土している。また、漆の付着した
山茶碗
や
金属滓
・
銅製品
も出土していることから、平安時代中期〜鎌倉時代期の、小鍛冶を含む作業場であった可能性が考えられる。