愛知県埋蔵文化財センター調査報告書 第194集
加原遺跡
(かはらいせき)
遺物:
最も注目されるのは、平安時代中〜後期の厚手で短胴な
清郷型土師器鍋
である。加原遺跡では、12世紀代を中心とする羽釜形以外にも、口緑部のくびれがほとんどないものや、平緑形の物が見られた。
清郷型については、愛知県内、静岡県、三重県、岐阜県などの、伊勢湾岸地域での分布が知られ、これらの出土資料から試料を得て、胎土分析を実施した。
そのうち断層破砕帯の粘土と海成粘土が混合した物に付いては、三河湾沿岸・幡豆地域が、その材料粘土採取地の可能性が高いと考えられる。