遺物:
吉竹遺跡の、竪穴建物跡からは弥生土器・土師器が出土した他、
弥生時代後期の竪穴建物跡からは石製紡錘車と鉄鏃が出土した。
又、旧河道下層からは同時代と推測される袋状鉄斧が出土している。
045SI
出土土器実測図(08区045SI)
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203SI
09区203SI:
高杯と甕
と
壺
が出土している。
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047SI
建物遺構は埋土が深さ20cm以上あり、良好であったのに対し、
土器の残存状況は比較的小片が多い。廃絶後の埋没過程で混入
した可能性も有る。比較的大破片の
甕
は口縁に連続文があり,
台付きとなろう。全体に煤が付着している。一方、
石製紡錘車
は、
床面直情から出土しており、当該建物に直接関わるものと考え
られる。また小型の
打製石斧
は、変玄武岩製で青灰色が目立つ。
剥片(S-3)
鉄鏃(M-1)
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046SI
壺
は、弥生土器にみられる、口縁部や肩部の加飾がなくなり、
ナデや、ミガキ調整で仕上げる事が主流となる。
甕
は、炉で
使用された物とみられ、焔の先が、なめたであろう胴部下半を
中心に、煤の付着がある。ただし底部近くは煤が全くない。
甕
2
点や壺は状態からみて、共伴関係にあると考えられる。
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071SI
建物規模に対して、土器の点数は多くないが
外反する口縁の、
高杯
2点が、注目される。
有段高杯(32)
は、ほぼ全形復元が可能で、
興味深い点は、杯部内面の口縁に沿って、
煤の付着が見られる点である。底面には、
全くない事から、液体状の燃料材に着火する
事で、この様な煤の、つき方をするものと
考えられる。
摺石(S-4)
は花崗岩で、摺面に
赤いベンガラが付着している。
剥片(S-5)
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鉄製品
袋状鉄斧(M-2):
袋部は身部にかけて、わずかに、
すぼまり、刃部にかけて、鉢状に広がる無肩鉄斧。
閉じ合わせは、6mm程空く。近隣の遺跡の出土
状況から、弥生時代後期に帰属すると思われる。
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