愛知県埋蔵文化財センター調査報告書 第197集 薬師ヶ根遺跡 ((やくしがねいせき) (




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概要 : 薬師ヶ根遺跡は、愛知県豊明市沓掛町、境川右岸に位置する奈良時代から平安時代を中心とする時期に営まれた集落遺跡である。 当該当期には、集落の端から谷地形にかけての凹地に、廃棄された多数の 須恵器灰釉陶器 が出土している。 これには、付近丘陸地帯の窯で生産されたものの出荷にあたり、選別を行ったものが多く含まれている。 その中心は8世紀後半〜9世紀後半である。
   また、 墨書土器刻書土器 がみられるものも特徴である。 これには付近を古代東海道が通過し、両村駅家が設置されたことと関係するとみられる。 また、鎌倉時代から室町時代にかけても、付近の窯で生産された 山茶碗 が搬入された場所と考えられる。 さらに竪穴状遺構などからは 鉄滓北宋銭 ・土師器羽釜などから出土し、鍛冶工房の存在もうかがえる。 古瀬戸四耳壷 や中世瓦が出土する溝もあり、戦国時代の沓掛城築城以前の地域の中心であった可能性も考えられる。

リンク1

・薬師ヶ根遺跡遺構↑