愛知県埋蔵文化財センター調査報告書 第197集
薬師ヶ根遺跡
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(やくしがねいせき)
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概要 : 薬師ヶ根遺跡の遺物の整理作業では、
土器
・
陶器
の重量比を出しつつ、個別資料の特徴を抽出することに努めた。 結果、
須恵器
・
灰釉陶器
の多くで使用痕跡が認められ、検品による廃棄だけではないことが想定された。 また
釉着破片
や
窯道具
も含まれていることから、窯との間で、人と物の往来があった蓋然性が高い。 さらに、「□家」などの墨書のある奈良時代末の
須恵器
が出土しており、窯業生産だけでなく地域の拠点的な集落としての位置づけも考えられる。 具体的には、付近に想定されている古代東海道および両村駅家との関連であるが、今後周辺遺跡の検討が必要である。 また、戸板などから転用された井戸側板の樹種同定や、中世の竪穴状遺跡から出土した炭化した種実(コムギなど)の同定と炭素年代測定を実施し、前者にはヒノキだけでなく比較的入手の難しい
コウヤマキ
を一定量含む点も注目される。