007合子形土製品

内容

遺物名:合子形土製品

型式:合子(土製品)

概要:弥生時代後期初頭の方形周溝墓に伴って出土。合子形の土製品で、身は口径8.2cm、高さ6.5cm、口縁端部付近に2個所に2孔の紐孔が存在する。脚部には5個所に透孔が見られる。蓋は上部に羽状の刺突文が施される。口径9.6cmで、高さ3.1cm。外面にはベンガラ塗布された優品。

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場所

遺跡名:朝日遺跡

所在地:愛知県清須市朝日地内

調査区:1996区

経緯度:北緯35°13′04″・東経136°51′05″

研究

類例:合子形の土製品は極めて類例が少なく、弥生後期に所属する資料としては、朝日遺跡以外には、愛知県豊田市川原遺跡、岡山県百軒川兼基遺跡などで出土している。

評価:朝日遺跡や川原遺跡の事例から、弥生時代から合子形の道具を墳墓に使用する事が確認できる貴重な資料である。また合子形は、木製品をはじめ土製品、やがて古墳時代になると石製品が登場する。特に合子形石製品には大きく2つの系列が確認されており、その内の一つの系列の素形として、本資料が位置づけられる可能性が高い。古墳時代前期の副葬品である、合子形石製品研究に重要な資料を提供する