002:巴形銅器 

内容

遺物名:巴形銅器

型式:五脚左捩半球形座・棒状鈕(ごきゃくひだりねじりはんきゅうけいざ・ぼうじょうちゅう)

概要:巴径5.6cm、座径3.0cm、高さ1.1cmを測る。五脚の左捩りで内外には文様は見られない。表面は全体によく磨かれ光沢を持つ。内側には棒状鈕が見られる。特に内側にベンガラが残る。保存状況は極めて良い。

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場所

遺跡名:朝日遺跡

所在地:愛知県清須市朝日地内

調査区:2002Dd区

経緯度:北緯35°13′15″・東経136°51′14″

研究

類例:巴型銅器は弥生時代後期から古墳時代前期にかけて存在します。その内で弥生時代後期の巴型銅器は、北部九州地域を中心にして分布しており、関東地域まで点在します。現在まで報告されている巴形銅器は17遺跡31点。

評価:朝日遺跡出土の巴型銅器は東海地域では初例であり、唯一の出土資料である。大阪湾以東では型式的にも最古段階の資料であり、半球形座としては5例目。全国的にみても、最古の資料と考えられる佐賀県桜馬場遺跡出土品と類似する極めて貴重な資料である。ただ、鈕や脚の特徴から、北部九州地域の巴型銅器とは異なり、朝日遺跡を中心とした当地域にて製作されたものと思われる。