« 2007年11月 | | 2008年03月 »

2008年02月29日

寄島遺跡 調査速報 その2

調査課の岡久です。
安城市小川町に所在する寄島(よせじま)遺跡の発掘調査速報の2回目です。今回は、ほぼ掘削の終了した最北部のA区と、現在掘削中の最南部のC区の現在までの状況を紹介いたします。
なお、寄島遺跡では3月8日(土)に地元説明会を予定しております。
 詳細は こちら  をご覧ください。

A区・C区ともに、B区と同様に古代以降と考えられる面を1面目としましたが、明瞭な遺構はほとんど検出されませんでした。とくにC区では平安時代の灰釉陶器などが多く出土しましたが、それを伴う遺構は確認できませんでした。その後、A区では包含層を15cmほど掘り下げた面を2面目として検出を行い、B区と同様に古墳時代初期から古墳時代前期と考えられる多くの竪穴住居跡や、時期不明の縦横に走る多数の溝や土坑などの遺構群を確認しました。A区においてもB区で確認された「幅の広い周溝を持つ住居」跡がいくつか確認されました。
2AYJ0705.jpg
▲A区2面全体(北から)

A区には、中央東側から北西部にかけて包含層がさらに厚く堆積している箇所があり、この地域の下位を3面目としました。3面目でも縦横の溝や多数の土坑と明瞭な竪穴住居跡を確認しました。ただし、3面目の遺構についても2面目の遺構と時期的には同時期かやや先行する程度と考えられます。
これまでの調査から、A・B両地区の地域は弥生時代末期から古墳時代前期頃までは集落域であったと言うことができると考えられます。ただし、出土遺物の形式の変化と出土区域を考え合わせると、その集落域は一定ではなかったと考えられます。
2AYJ0706.jpg
▲A区3面1545SB遺物床面出土状況(西から)

集落域と考えられるA・B区に対して、最南部のC区はそれまでとは様相が全く異なりました。竪穴住居跡と考えられる遺構が北部でわずかに確認された以外は北西-南東方向に平行する多数の溝が検出されました。そして特徴的なのは、それらの遺構より上位で明瞭な形の方形周溝墓が2つ確認されたされたことです。つまり、この区域は墓域と考えられます。
2AYJ0707.jpg
▲C区北部方形周溝墓検出状況

さらに、C区の最南部には幅が11mもあってほぼ直角に屈曲する大溝が確認されました。この大溝の性格は今のところ不明です。
2AYJ0708.jpg
▲C区最南部大溝検出状況(北東から)

| コメント (0) | Category:お知らせ

2008年02月18日

桑下城跡 現地説明会資料

先日の桑下城跡の現地説明会では、たくさんの方々にご参加いただきました。
ありがとうございます。
当日の配布資料のPDFを作成しましたので、お知らせします。
右のメニュー「ダウンロード」の「現地説明会資料」より入手できます。

ぜひ,ご活用ください。

| コメント (0) | Category:お知らせ

2008年02月06日

桑下城跡 現地説明会のお知らせ

○調査課の小澤です。
愛知県埋蔵文化財センターでは、一般国道363号道路改良工事に伴う桑下城跡の発掘調査を、平成19年9月から平成20年3月の予定で実施しています。
 調査では、さまざまな興味深い遺物・遺構が見つかっており、今回、出土遺物の展示公開と遺跡の現地説明会を下記により開催することとしました。


日時:平成20年2月16日(土) 午前10時30分と午後1時30分(いずれも1時間程度)
場所:瀬戸市上品野町地内 桑下城跡発掘調査現場
内容:和鏡始め出土遺物の展示、発掘調査で発見された遺構の説明と見学

*堀の中から発見された室町時代の和鏡は、遺跡から出土したものとしては、全国的にも例を見ないほど良好な保存状態を保っています。

07gen.jpg


詳しくはこちらをごらんください。

| コメント (0) | Category:お知らせ

2008年02月05日

寄島遺跡 調査速報 その1

調査課の岡久です。
愛知県埋蔵文化財センターでは、平成19年10月から安城市小川町に所在する寄島(よせじま)遺跡の発掘調査を実施しています。この調査は、鹿乗川改良事業に伴う事前調査の一環であり、今年度内に3465平方米の面積を、3調査区に分けて調査を実施しています。
今回はこの寄島遺跡の発掘調査速報の1回目として、先行して調査を行ったB区の紹介をさせていただきます。

B区は最上面は古代以降と考えられる面を1面目としましたが、後世の削平が激しく遺構はほとんど確認できませんでした。その後、15cmほどの包含層を掘り下げた面を2面目としましたが、ここからが本格的な調査となりました。この2面目は弥生時代末期から古墳時代前期を中心とした遺構群であり、縦横に走る溝や土坑、竪穴住居跡と考えられる方形の遺構が多数確認されました。
2AYJ0701.jpg
▲B区2面全体(北から)


3面目としては、中央東側に包含層が厚く堆積している区域があり、その部分が対象となりました。ここでは住居跡が重なり合って10棟ほど確認されるとともに、それらの住居跡に切られる北東―南西方向の溝が数条平行して検出されました。これらの住居跡は、その出土遺物から2面目で確認された住居跡にやや先行するかほぼ同時期のものであると考えられます。
2AYJ0702.jpg
▲B区3面中央東側竪穴住居群(上空から)

出土遺物は弥生時代末期から古墳時代前期の古式土師器が中心で、2・3面を通じてもあまり多くありません。
2AYJ0703.jpg
▲遺物出土状況

今回のB区の調査では、竪穴住居の中央部をテーブル状に残して周囲を1mほどの幅の溝状に一度掘り下げてから床面を張る幅の広い周溝を持つ住居が多く確認されました。このような住居跡がまとまって確認されたことはあまりなく、この遺跡の特徴の一つともいえるかもしれません。
2AYJ0704.jpg
▲幅広周溝の住居

| コメント (0) | Category:発掘調査