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2006年10月23日
西浦遺跡 調査速報 4
●調査課の岡久です。
豊橋市石巻町に所在する西浦遺跡の発掘調査速報の4回目です。今回は、Ba区の2面目とAb区を紹介させていただきます。
Ba区の2面目では、平安時代と考えられる竪穴住居跡が9棟確認されました。しかし、これらの竪穴住居跡は、いずれも柱穴や周溝などの内部施設は曖昧な状態で、火処遺構は発見されず、出土遺物も少量でした。

▲Ba区 竪穴住居
また、今回Ba区では、1面目の大溝にほぼ平行する溝や、新たな掘立柱建物を想定することができる柱穴なども確認されました。

▲Ba区 全体真上から
Ba区の道路をはさんだ南側に位置するAb区では、Ba区の溝とつながる可能性が考えられる溝が2条、調査区北東角に井戸が2基、そして井戸の隣の石敷状の水場施設などが明確な遺構として確認されましたが、あとの土坑の大半は樹木痕と考えられます。

▲Ab区 全体真上から
Ba区とAb区を全体として捉えて想像してみると、Ba区南側からAb区北側にかけては江戸時代後期〜明治時代の溝で区画された農家の屋敷地であり、Ba区南東部が掘立柱建物の母屋などが建つ建物域、Ab区側は井戸があり果樹などが植わるその庭先の区域と考えられます。また、この区域はそれ以前の時代でも人々の居住域であったとは考えられますが、後世の削平の影響が大きいため、あまり明確な形では遺構は残っていないようです
2006年10月13日
まいぶん愛知展
●調査課永井宏幸です。
先日、予告しました「まいぶん愛知展特集陳列no.4【パレススタイル土器と円窓付土器】」がオープンしました。是非ご来場ください。

場所:愛知県陶磁資料館2階常設展第6展示室
開催期間:平成18年10月11日(水)から平成19年7月1日(日)の予定
月曜日・年末年始休館
開館時間:午前9時30分から午後4時30分
料金:一般400円・高大生300円・中学生以下無料
http://www.pref.aichi.jp/touji/
今回の見どころ
9月まで開催していました企画展のうち「パレス土器の大広間」と「朝日ブランド・円窓付土器(まるまどつきどき)」をダイジェスト版として紹介します。
いろいろな紋様を描く「パレススタイル土器」とよく似ているようでそれぞれ個性的な「円窓付土器」をじっくりと見てください。
2006年10月06日
創立20周年記念企画展、無事終了
○調査課の永井宏幸です。
3ヶ月間にわたる企画展も、7千人を超える来館者の方々に支えられ、無事終了いたしました。
最後を飾るシンポジュウム「もの作りからみた東海弥生社会の特質」は180名の参加者を迎え、盛況のうちに閉会することができました。
時間を超過する午前中の事例報告、午後の3時間におよぶ討論は、専門的な用語を多用したお聞き苦しいシンポジュウムだったかもしれません。
熱心に耳を傾けてくださった参加者の皆様に感謝しています。次回、30周年の企画があれば、もっと深化した朝日遺跡像をお話する機会を持ちたいと思います。

企画展で好評でした「パレスの大広間」と「円窓付土器」を引き続き陶磁資料館で展示する予定です。
10月10日(火)から陶磁資料館2階「埋蔵文化財センター展示コーナー」にて展示します。またのご来館、お待ちしています。
2006年10月04日
西浦遺跡 調査速報 3
●調査課の岡久です。
愛知県埋蔵文化財センターでは、平成18年7月から豊橋市石巻町に所在する西浦遺跡の発掘調査を実施しています。この調査は、県道東三河環状線道路改良工事に伴うもので、今年度内に6000平米の面積を、7調査区(大きくは5調査区)に分けて調査を実施しています。
今回はこの西浦遺跡の発掘調査速報の3回目で、Ba区の1面目のご紹介をさせていただきます。
Ba区1面では、調査区を南北に縦断して北端で東に屈曲する大溝や、南北3間東西4間と想定される掘立柱建物の跡などが確認されました。

▲Ba区 全体(北から)
このうち大溝は、南半部に比べて北側の屈曲部が極端に深くなるという内部構造をもっています。出土品は江戸時代全般のものがみられますが、とくに深くなった北側の屈曲部では江戸時代後期の瓦や磁器などが多くなります。このことからこの大溝は、江戸時代後期の一時期に何らかの事情で北側だけが深くなったことがわかります。また、深くなる屈曲部の肩の一部は、溝に下りることができるように整形されていました。人々の生活に深く関わる溝であったことが想像されます。

▲Ba区 大溝(北から)
掘立柱建物については、その柱の跡(柱穴)と考えられる土坑の多くは形が不整形で深く掘られていて、根石も据えられていました。それらの土坑から江戸時代中頃の土鍋などが出土しいることや、周囲にある大溝などの他の遺構との関係などを考えると、この掘立柱建物は江戸時代のものであると考えられました。つまりBa区の1面では、江戸時代の村の一部、人々が居住した屋敷地を発掘したようです。

▲Ba区 掘立柱建物プラン(西から)
Ba区1面は比較的新しい時代の遺構を中心に掘ったわけですが、それでも古代の遺物(須恵器や灰釉陶器など)が散見されます。ということは当然付近に古代の遺構が存在している可能性が高いわけです。Ba区2面ではこれらの遺構を中心に掘削を進めるつもりです。また、同時進行でBa区と道をはさんだ南側のAb区の掘削も進めていきます。
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寄島遺跡