科学分析 |
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本遺跡出土資料も含め、主として矢作川流域の古代寺院関連遺跡から出土した瓦の比較研究を行うために、胎土分析を行うことにした。合計253点を選び出し、胎土分析を株式会社第四紀地質研究所に依頼した。分析資料サンプルは以下の通りである。 |
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![]() 資料60(牛寺廃寺跡) |
![]() 資料133(市道遺跡) |
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分析の結果、主に7つのタイプに分けることができた。 1)「IIIタイプ:Qt:中・Pl−低」丸瓦は北野廃寺跡、丸山廃寺跡、志貴野遺跡、寺部堂前遺跡、三河国府跡、大久根遺跡、雨堀瓦窯跡とともに古新田遺跡の瓦が共存する。平瓦は北野廃寺跡、丸山廃寺跡、牛寺廃寺跡、伊保白鳳寺跡、寺領廃寺跡、医王寺跡、鳥羽神宮寺跡、神明瓦窯跡とともに古新田遺跡の瓦が共存する。 2)「IIIタイプ:Qt:小・Pl−低」丸瓦は伊保白鳳寺跡、鳥羽神宮寺跡、寺領廃寺跡、志貴野遺跡、北迫瓦窯跡の瓦が共存する。平瓦は伊保白鳳寺跡、別郷廃寺跡、志貴野遺跡、鳥羽神宮寺跡、勧学院文護寺跡、北迫瓦窯跡等とともに古新田遺跡の瓦が共存する。 3)「IVタイプ:Qt:中・Pl−低」丸瓦は神明瓦窯跡、弥勒寺跡、舞木廃寺跡、別郷廃寺跡、牛寺廃寺跡、とともに市道遺跡と山ノ入遺跡の瓦類が共存する。平瓦は北野廃寺跡、牛寺廃寺跡、寺領廃寺跡、舞木廃寺跡とともに神明瓦窯跡、北迫窯跡、雨堀瓦窯跡の瓦が共存する。 4)「Iタイプ:Qt:小・Pl−低」丸瓦は北迫窯跡の瓦が集中し、三河国府跡の瓦が混在する。平瓦は北迫瓦窯跡の瓦が集中し、三河国府跡の瓦とともに寺部堂前遺跡、志貴野遺跡、古新田遺跡の瓦が共存する。 |
5)「IIIタイプ:Qt:小・Pl−高」丸瓦は寺領廃寺跡、寺部堂前遺跡、伊保白鳳寺跡、別郷廃寺跡の瓦とともに古新田遺跡の瓦が共存する。平瓦は伊保白鳳寺跡、寺領廃寺跡、寺部堂前遺跡、志貴野遺跡の瓦とともに、雨堀瓦窯跡、北迫瓦窯跡、古新田遺跡の瓦が共存する。 |
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<焼土坑焼土の焼成年代推定−熱残留磁化測定> 藤根 久・Zauri Lomtatize(パレオ・ラボ) | |||||||||||
本遺跡では、古瀬戸の陶器を伴う溝を切って楕円形焼土坑(SK 835)が検出された。この焼土坑の焼土の熱残留磁化を測定し、その磁化方向から焼成年代を推定した。 | ![]() 焼土坑焼土の残留磁化方向と広岡・藤沢(1988)の考古学磁気永年変化曲線の一部 |
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![]() 焼土坑の焼成年代推定値 |
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