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井戸の構造 1 |
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井戸は日本では弥生時代から掘削されるようになりますが、愛知県下の集落遺跡で頻繁に見られるようになるのは、おおよそ鎌倉時代からと考えられています。 井戸は土地の条件によって構造が異なることがあります。 井戸は地面に穴を掘って地下水を汲み取る施設ですから、地下水があるところまで穴を掘り、その穴を長持ちさせる必要があります。 |
![]() 清洲城下町遺跡出土の井戸 |
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![]() 名古屋城三の丸遺跡出土の井戸 |
地盤が軟弱な沖積低地では、土砂が崩れて井戸が埋まってしまわないように、木や石を用いて井戸枠(井戸側)を作ることが多く、一方、一般に地面が硬い台地上では井戸は素掘りのままのものが多いです。 | |
戦国時代の尾張においても、沖積低地にある清洲城下町遺跡では、井戸側に木製の筒(桶)が用いられ(写真右)、名古屋台地上にある名古屋城三の丸遺跡では、素掘りの井戸がみられます。 | ||
ただし台地上の遺跡でも水が湧く部分は崩れやすいので、その部分だけ枠を設置する場合もあります(写真左)。 | ||
参考文献 東海考古学フォーラム 2002『東海の中世集落を考える』(資料集:専門書) |