城をのぞいてみよう!
大人向け織豊期城郭の成立

戦国時代の城郭は、堀や土塁などで防御された「土の城」でした。

このイメージを大きく塗り替えたのは織田信長が作った安土城といわれています。
安土城は江戸時代の城郭のシンボルである「天主」が聳え立っていました。

遺跡の発掘調査から、天守閣のような建物があったか否かを考えてみる時に
「石垣」・「瓦」・「礎石」などが残されているかどうかが手がかりとなります。

城郭研究者で発掘調査も手がける中井均さんは、
この「石垣」・「瓦」・「礎石建物」の3つの要素が揃って確認される時、
この城郭を「織豊系城郭(織田・豊臣氏が作った城郭)」から展開した
「織豊期城郭(織田・豊臣政権時代の城郭)」と位置づけ、
近世的な城郭の始まりであると論じました。

城郭については以前から数多くの研究がありましたが、
この中井さんの論文が発表されて以来、全国各地の織豊期城郭の研究が進み、
さまざまなことが明らかになってきています。

そして、清須城が織豊期城郭として近世的な城構えができあがるのは、
織田信雄が改修を行った天正14(1586)年のことと考えられています。

(ただし細かく検討すると1586年とする考えにはいくつか問題がありますが。)


お城をのぞいてみようのコーナーでは、近世的な城構えになった清須城の様子をご紹介します。

参考文献:村田修三編1990『中世城郭研究論集』新人物往来社(専門書)  
安土城考古博物館へ

瓦の発掘調査メニュー 城をのぞいてみよう